27才のサラリーマンです。27才です。大事なことなので2回言いました。
さてさて最近、週末になれば漫画ばっかり読んでます。読書の秋ですね。。めっちゃ文学少年ですわー。やばいわー。このままだと又吉みたいに「きょーちか先生」とか呼ばれちゃうわ。秘かに「おすすめ漫画」のブログを書こうとたくらんでいるところです。(現在4作…)
基本的にはいぬやしきとかAll You Need Is Killなどの新作マンガが中心だったのですが、ふと目に留まった懐かしの作品「ワンピース」を読んでみました。ってかワンピースってもう79巻にもなるんですね・・・(2015年10月現在)。
頂上戦争編の感想(重大なネタバレを含む)
ここからは重大なネタバレを含むので、そういったものがお嫌いな方はおやめください。
さすがに78冊もある作品を全部読む気にはならなかったので、まだ未読であった「頂上決戦編」を読むことにしました。エースと白ひげが死ぬアレですね。あーネタバレしちゃった。
個人的にはこの頂上決戦編、私のような「小さい頃は大好きだったワンピースを、いつのまにか読まなくなってしまった大人」にこそ読んで欲しいと思ったんですね。
頂上決戦編とはどんなあらすじか
海軍による「エースの公開処刑」を防ぐために、海軍本部マリンフォードにて白ひげ海賊団と海軍との全面戦争が行われる。51巻から60巻の全10巻で描かれており、この間の章は「マリンフォード頂上決戦編」とも呼ばれている。
ワンピースの「同窓会」的なおもしろさ
物語の前半、エースが収容されている海軍の海底監獄「インペルダウン」でルフィが大暴れするって流れがあるんですけど、個人的にはここのくだりは「昔ワンピースを読んでいた層」には凄いウケると思うのです。
どういった面白さがあるかといえば、「ワンピースの同窓会的な面白さ」です。海賊を収容している海底監獄ということだけあって、2巻で登場したバラバラの実のバギーや12巻〜23巻のバロックワークス編で出てきたMr.2ボンクレーやクロコダイルなどなど、小さい頃からワンピースを読んでいた私たちには懐かしのキャラクターがわんさか出てきます。
これ、最高の流れだと思います。こういった長編マンガを読んでいて思うのは「おじさん、もうキャラクターの多さについていけないよ・・・」という気持ち。久しぶりにテレビで見たワンピースの感想が、「半分以上のキャラがわからない。仲間ですら良くわからん」っていう人、ままいるんじゃないかと思うのです。
その点でいえば、この頂上決戦編は「昔に見た知ってるキャラがたくさん出てる!」っていうだけでもう、心がワクワクするんです。バギーなんて、初めて見たのは小学生だったんですからね・・・
いつもの仲間とは異なる仲間が織りなすスピンオフ的な面白さ
ワンピースも80巻にもなると、けっこうマンネリ化していました。自分が中学生だったら「新しい中二病っぽい名前の技」とかが出てくればそれで満足できていたのかもしれません。ただ、108ポンド砲とかを見ていて寒くなってしまうような年になってくると、もう「いつものお友達たちの戦い」を見ても飽きてきていたのです。驚きもないし。
そういった点でも頂上決戦編は良かった。シャボンディー諸島で麦わらの一味がバラバラにされるところから始まる頂上決戦編では、ルフィという主人公は残しつつ、いつもとは異なる視点で描かれている。ワンピース・スピンオフのような面白さがあるんです。こういった点も、「ワンピースに飽きてきた層」に対して訴えるものがあったんじゃないだろうか。
圧倒的スケールのキャラクター
この頂上決戦編では見ていてワクワクすると同時に、心配にもなってしまう場面がいくつもありました。それは登場してくるキャラクターのスケールです。小さい頃からワンピースを読んでいた人たちにはわかると思うのですが、ワンピースにおいて「七武海」の存在って非常に重要な役割だったと思います。 初めて6巻で鷹の目のミホークが出てきたときの衝撃は、かなりのモノだったと思います。
バロックワークス編でやっとこさで倒すことができたMr.0クロコダイルの懸賞金が8000万ベリーだってのに、他の七武海には3億ベリーなんてやつらもいるのかよ・・・そんな七武会が白ひげ海賊団を迎え撃つために、全員招集されるっていう強大スケール。
そして七武海のみならず、現在の海軍最強である赤犬(菅原文太)・青雉(松田優作)・黄猿(田中邦衛)までが揃う。正直に言って、強さだけでいえばルフィは完全なモブキャラです。戦っているキャラが、ワンピース初期から「いつ出る!?いつ出るのよ!?」みたいな持ち焦がれたキャラたちっていうのはスケールはもちろん、わかりやすいっていうのもポイント。
ワンピースで人が死ぬという衝撃
さて冒頭でも言いましたけど、頂上決戦編では人が死にます。しかもルフィの兄であるエースと、海賊界最強と言われる白ひげが死ぬんです。これって長年ワンピースを読み続けていればいるほどに、受ける衝撃はデカいと思うんです。
「ワンピースあるある」だと思うのですが、このマンガでは人が死にませんでした。時限爆弾と一緒に空中で爆破したはずの鳥人間とか、雷を打たれて消えたはずのお父さんとか、一度は死んだと思ったのに、(そして衝撃と涙を与えたくせに・・・)、しれっと生き返りやがるんですよね。正確には「実は死んでませんでした(てへぺろ)」みたいな流れなんですけど。
でもですね。そんなどうやってもキャラクターを殺さなかったワンピースなのにも関わらず、この頂上決戦編ではキャラが死ぬんですよ。しかも超主要キャラが。「え、本当に死んだの・・・?」って思いますが、本当に死にます。
(多分)
もうすぐ20年。ルフィはいつから年下になったのか
初めてワンピースと出会ったのはいまから16年前の小学5年生の11才のときでした。アニメを見て「なにこれ面白過ぎる」って流れになり、マンガを一気買いしました。と言っても、当時はあまりにも人気過ぎてどこの書店にも本が置いてなく、仕方なく11巻だけ買ったという思い出があるんですけど。だから一番読んだのは11巻でアーロンに斧かます処なんですよね。
ワンピースのおもしろさが私をマンガの世界に引きづり込みました。それまではコロコロは買ってたけど単行本にはあまり手は出なかったのですが、ワンピースをキッカケにマンガのおもしろさに気づき、気づけば小学校卒業時には何百冊ものマンガが本棚に。小6当時の趣味は自転車で古本屋を巡ること。
ちなみにお小遣いは当時で1500円でけっこうもらってたのですが、マンガを買うお金としては足りなかったので「安い店で人気の本を仕入れて、別の高価買い取りの店で売る」というセドリ的なことをして稼いでいました。あとは自動販売機のおつりを探しまくって怒られたのも良い思い出です。
中学生の頃になるとワンピースはアラバスタ編・空島編へと入ります。この頃から段々とワンピースの「悪魔の実のバーゲンセール」状態を理由に少しずつ熱が冷め、 遂には高校入学の頃には読まなくなっていました。もう一つ理由があるとすれば、シリアスシーンでもギャグをねじ込んでくる作風が強くなりすぎていたのも理由かもしれません。マジメに読みたいんだこっちは。
そうしてワンピースを読まなくなっているうちに、気づけば高校2年生になっていました。17才です。今となってはルフィは19才に成長したらしいのですが、当時同い年だった私としてはちょっとした悲しさがありました。
小さい頃に憧れていた漫画の主人公が、いつの間にか同い年になっているのです。物語なので当然のことなのかもしれませんけれど、「主人公と自分の年齢」という関係は非常に重要なことだと思います。別に「ルフィになる!」なんてことは小学生の頃から思っていませんでしたが、「17才」が将来の年齢だった小学生から、「17才」が同い年になった高校生になってしまうと、ルフィというキャラクターに対して抱く感情はまったく別物になっていました。そして「17才」が10個下にもなってしまう今となっては、おもしろい漫画とは思いつつも、どこか冷めた気持ちになってしまいます。なんというか、「過去の年齢なんだなぁ」という気持ちになるんです。
私にとって漫画や小説などの物語は、「将来の姿であって欲しい」という思いがあるのかもしれません。高校生の時に見る妻夫木・柴咲コウの「オレンジデイズ」は大学生活への憧れを抱いたけれど、社会人になった今現在で大学生モノを見たとしても、憧れなんてものはないですよね。
ワンピースの頂上決戦編。おもしろかったなぁ。戻れるのなら、「17才が将来だった時代」に戻って、もう一度この作品と出会ってみたいな。まぁでも、そんな郷愁を通り越しても頂上決戦編はおもしろかったです。そんではー
今週のお題「行ってみたい時代」